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高津和彦のプレゼンテーション分析 [3]

「プレゼンの話し方」の正しい指導

「司会者になったつもりで話せ!」と言われても、とてもそんなふうには話せない。プロは、「こんな感じ」ではなく、「この部分を、こう直して」と、具体的に指導する。

良くない指導の例に、「雰囲気指導」があります。

例えば、あなたに「プレゼンの話し方」を指導する場合に、「自信をもって」、「心に届くように」、「ちゃんと向き合って」、「共感を呼ぶように」、話しましょう・・・という感情論だけで教えてしまうのが、これです。

こういった「雰囲気語」を多用されると、できるような気分になる人も少なくありません。

モデルのウォーキングを身につけたい人に「パリコレの舞台を思い浮かべて、颯爽とした感じで歩きましょう!」という指導もありです。何も考えずに普通に歩くよりは、それらしくなるでしょう。けれど、そこが限界です。

「足の角度はこう、歩幅はこう、上体を骨盤の上に垂直に乗せる・・・」と具体的に教えられ、正しい基礎ができたのちに、最後にイメージや感情に訴えるから歩き方が映えるのです。

メンタリティに訴えて改善をはかる、というのは悪いことではありません。しかし、それだけでは「足りない」し、時にはよくないクセを定着させたまま放置することになります。物理的に改善すべき点をきちんと指導したうえで、モチベーションを上げていく手法が、真のプロ指導。きっちりと実態を分析できるとできないのとでは、雲泥の差があります。

ひとつ実例をお話します。僕の講座に「話し方が子供っぽいと言われる」という女性の受講者が来られました。その方は、これでは仕事上の大事な場面で信頼を得るのが難しい、といって悩んでおられたのですが、人からのアドバイスで「キャリアウーマンを意識して話して」みても、解決しなかったそうです。

講座が始まって、すぐ、僕は次のように言いました。
「ご自分ではお気づきでないと思いますが、あなたの場合、語尾の『~です。~ます。』の『す』の母音が、わずかに伸びるクセがある。『SU』ではなく『SS』と、きっちり無声化して発音するようにしてみて下さい。それだけで、聞く人の印象がかなり変わりますよ。」

このようなピンポイントの具体的な指導や、口の開け方・舌の位置など物理的な要因について、講師が正しいやり方を示しながらチェックし、改善トレーニングを行える講座でなければならない、そうでなければ、「ベスト」を名のるべきじゃない、と僕は思っています。