どんな自己紹介をしますか?

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

もうすぐ新年度。自己紹介の機会も増える時期です。今回はそれについてベストスピーカー的視点で考察します。

 


最近、自己紹介をしましたか?


自分自身の活動範囲にもよるが、ほとんどの人はそういう機会は頻繁にない。
でも何かで会合やミーティングに出たら、初対面の人に対して、"突然の全員自己紹介"ということになる。

それはお互いを短時間で一気に広く知ろうということで。


ところがみんな、そんな時に自分のことを言いたがらない。
それでも自己紹介の順番が回ってきて、やらなきゃいけない。

だから何とかしてある程度の形にしようと時間を持たせる。
内容があるように見せかけて、その実ほとんど内容が無い話で。


本当は、みんな、内容のある人なんだけど出したくない。
知ってもらいたくないから。

昨今は特に。


でも知ってもらえると。
仲良くなる、
友だちができる、
情報を教えてもらえる、
自分のものを買ってもらえる、・・・。

が、誰もそんなことを思わない。


一方、知られると。
DM来る、
営業される、
勧誘される、
詐欺にあう、
情報バラまかれる、・・・。

嫌なことばかりを考える。


だから最初から名刺など持っていかない人も多い。知らせる必要がないから。
そして人を知ろうとも思わない。


で、そんな状況下の自己紹介、よくあるフレーズは;

私は・・・、

小売業で、
金融業で、
メーカー勤務で、
サラリーマンで、
公務員で。

そして、
「出身は東京で、仕事も東京です。」

(先日の東京のある会合での話です)


こんなことを開口一番に言う。

自分の会社、扱い商品の事などには全く触れず、
一般的な知識をひとくさり。
不景気だとか、通勤がしんどいとか、もう年だとかの感想。


全く面白くない。


それは自分の内容を特定されないように言うから、当然、聞く方も特定できない。
だから現実味がなくて興味がわかない。
結果、聞きたくなくなる。


先日、
「以前、ある会でやくざの息子だったかがいて。
だからそれ以降、そんな人も聞いているかもしれないと思うので具体的なことは話さない」
と言った人がいた。

実際、その人の自己紹介は全く面白くない、誰が喋っても同じような、何も特定できない、聞いたらすぐ忘れてしまう、どうでもいい話だった。あまりにもそんなだったから、僕がその点について感想を言ったら、この答えが返ってきたのだ。


なるほど、そういう理由で。
だから結果、"どうでもいい話"だったのねと納得した。


「でも、そういう気持ちで人に話していると、誰もあなたに興味を持たないよ」
って、その人に言ってあげた。


つまり、あなたは自己紹介で、
言いたいのか言いたくないのか。
聞いてほしいか聞いてほしくないか。


もし聞いてほしかったら聞いてもらえる内容を話さなきゃならない。

それには興味を持ってもらえる内容を、ある程度、固有名詞で具体的に言わねばならないのだ。
リスクは皆無とはいわない。


でも、話を「ふんふん」と言って聞いてもらったら嬉しいよ。
そして拍手が出る。
あとで人が向こうからやって来る。
こっちから行かなくても。

あなたともっと話をしたいって。
あなたがステキだと言って。
あなたの世界が広がっていく。


僕はその楽しさをこれまでたくさん経験してきたから。
みんなにもその気持ち良さを分かって欲しい。
 

 

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