「伝わらない」分析 -2

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
前回に引き続き「伝わらない」現象についての分析です。

 


前回、「がんばる」を例に、"伝わらないランク"をつけて、伝わらなくなる過程を説明した。

つまり、「がんばる」が、"一番伝わるレベル"とすると:

1ランク低い 「がんばろうと思います」
2ランク低い 「がんばりたいと思います」
3ランク低い 「がんばりたいと思ってはいます」
4ランク低い 「がんばりたいというふうに思ってはいます」
5ランク低い 「がんばりたいというふうに思ってはいるんですけれども」


例えば、「がんばる」を「結婚したい」に置き換えてみると、さらによく実感できるだろう。

5ランク低い、「結婚したいというふうに思ってはいるんですけれども」。
こんなプロポーズを受け入れるだろうか?あなたは。

これでは「伝わらない」でしょう。


さらにもう一つ、伝わらない理由として。

 

"ランクの低い言葉"を日ごろから発している人は、思いも弱いということだ。

「思いが弱いから、言葉が弱い」だけではなく、
「言葉が弱いから、思いも弱い」、そうなってくる。

ニワトリと卵は相関関係なんだ。


ではなぜ、こんなに「思います」が蔓延してしまったのか。
それは社会の軋轢化と同時に、メディアで「思います」が広められたからだ。

社会の軋轢が一番大きいのは首都東京だ。何千万人がその周辺地に暮らしている。
一方、地方はそれほど人口密度が高くないため人との軋轢が少ない。

さらにメディアの中心が、その東京だからだ。
テレビ、ラジオ、他のメディアの90%は東京から発信される。

そして、そのメディアの中心人物、アナウンサーはよく「~と思います」でセンテンスの調子を取る。
そう言ってる間に次の文を考えるのだ。
彼らは滑舌が良いからそれほど気にはならない。よほど連発しなければ。


それで。
メディアで四六時中、「~と思います」を耳にして、一般人はそれを真似る。
しかしはっきり発声しない一般人がそれを真似ると、思いが弱いというのが浮き彫りになる。

だから伝わらない (んだと思います、とは僕は言わないよ)。


結論:
ふだんから「強く思い」、「強く言おう」。
それを実行しよう。

そうすれば、ここ!という時に、「伝わる」話し方ができます。
 

【関連サイト】
"伝わるスピーチスキル"向上セミナー ベストスピーカー