「話が続く」とは‐2

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

前回に引き続き「話が続く」についての考察です。
 


話を続けるためには、「話を盛り上げよう!」と言ったが・・・。


なんでも盛り上げる方向にまっしぐらだと、話が一方的になってしまって、
お互いの意見に大きな齟齬をきたしたとき、差異がより大きくなってしまう。

だからその反面教師として。

「小さな違和感も、優しく受け入れよう」


これが今回のテーマ。

 

前回は、「ドイツへ7日間、バラ鑑賞の旅はいくら?」という僕の質問に対する相手とのやり取りを例に、「話の盛り上げ方」を説明した。

それは;
質問に対し相手は「うーん・・・」と、ながーく考えて「30万?」と言い、
僕が「60万だよ!高いでしょ!?」。
それに対して、相手は高くてもしかたがない理由を様々言いつのり、僕に反論。

まずは、会話のテンションが"盛り下がる"パターンを説明した。
そして次に、盛り上がるパターンを例に挙げ、それと比較したのだ。


で、今回のテーマ、"優しく受け入れよう"に従うとすると;

僕 「60万だよ!高いと思わない!?」
相手「でもGWだったらそれくらいするかも・・・」


―ここで「なんで話の腰、折るのっ!」と言わず―

僕 「そうか、きみは一番高い時の値段で考えるんだ」
相手「だって普通の働いている人ならGWの時くらいしか行けないでしょ」
僕 「ところがこれは違って夏休み前の普通の日の設定だけなの」
相手「そうなの?でも豪華な食事や高級ホテルだったら高いんじゃない?」


―ここで相手の視点に沿って質問を展開して―

僕 「やっぱり食事やホテルが良いといい気分かなぁ?」
相手「そりゃ全然違う~」
僕 「例えば?」
相手「朝冷たいパンとミルクだけのと、ちゃんとフライドエッグwithベーコン、
   スープ、焼き立てトーストって、聞いただけで違うでしょ?」
僕 「高級ホテルだとそうなんだね~!」
相手「飛鳥IIのクルーズでもそうだったわ」


―と、話は盛り上がる方向へと展開する。

プラス、相手も気分が良い、のおまけがついてくる。
結果、人間関係も盛り上がる

前回も示した、自分の考え方に相手が従ってくれた盛り上がりは、当然あなたは楽しい。
が、相手が盛り上がっていないとしたら、それは会話として長く続かない。

自分の目指す方向に話が進まないとしても、相手の言葉を受けて、
それに沿った話の展開を受け入れば話は続きます。


自分の言葉を腹に収めておきつつ、相手に沿う。
どうしても受け入れることができないということでなければ、相手の話をしばらく聞いてみよう。


自分とは合わない人だなぁと思っていても、この手法で少し時間を経てみる。
すると、自分にとって受け入れ可能な、相手の新たな良い面を見つけられるかもしれません。

そしてあなたの幅も広がる。
心の幅が広い人だと思われる。


試してみてください。 
 

 

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