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プレゼンテーション・話し方分析 [13]

高津が見た、NHK めざせ!会社の星
「プレゼンは任せなさい!」(2)

ジャパネットタカタの高田社長も出演していました。

高田社長の挨拶は、気が伝わってきます。「臨時社員の皆様、高田明です!」の臨時の「り」、高田の「た」のイントネーションの立て方が、うまいんです。
これは何より、高田社長の「気」が、そうさせています。
「言葉を力強く、先頭にイントネーションを」というアドバイスでしたが、高田社長のように気が入っていなければできません。

逆に言えば、情熱があって気のこもったプレゼンをするなら、「緩急をつける」「たたみかける」など言葉のテクニックも、自然と工夫するようになるし、「手だけでなく全身でジェスチャーを」などの動きもおのずから出てくるようになります。

高田社長のこの一言に、プレゼンの原点があります。
「恋愛と同じ。思いを伝えることが大事!」

「情熱だけでやってる。」という大浦さん。
そうです。そのとおり!思いを伝えるという情熱こそが、重要。
まず、それが基本の土台。それがあってこそのテクニックなんです。

(プレゼンテーション分析11「成功するプレゼンの要素と優先順位」を参照)

例え、前のプレゼンターに言いたいことを全部言われてしまったとしても、「この劣勢を何とか跳ね返そう、絶対に負けたくない!」という熱い気持ちが湧き上がってくるようでなければダメなんです。
恋愛の告白をしようとしたら、他の人が先に言ってしまったとしても、同じ「好き」という内容を、ライバルよりももっと一生懸命に相手伝えようとするでしょう?

僕もたびたび、コラムやブログでふれてきたメラビアンの法則が、番組でも取り上げられていました。人間は、メッセージの内容よりも見た目で判断する、というもの。

  1. 視覚情報=容姿、表情、ジェスチャーなど(55%)
  2. 聴覚情報=声のトーン、口調など(38%)
  3. 言語の内容(7%)

これは、確かにあたっていますが、昨今の「見た目からの情報が最も重要で高い比率を占める」という解釈は、曲解です。これは、言葉の内容が様々に取れる場合の実験データで、例えば「今日も元気だね」という言葉に対して、好意・お世辞・嫌味・嫉妬などの判断をする時のことです。
見た目がよければ相手の心の半分以上をとらえられる、という数値ではありません。

たとえ見た目で好感を持たれても、声や話し方や内容によっては、それは「0%」と同じなのです。

ですから番組の中で言っていたような、プレゼンの時は「この色のネクタイがいい」とか「メガネは銀縁がいい」などは、自信を持ってプレゼンするための自己暗示や、あがらないためのジンクスとしてなら期待できますが、聞き手に対してのビジュアル効果はプレゼンの「本業の部分」ができていなければ、「0(ゼロ)」です。
見た目がいいだけで勝てるほど、プレゼンもクライアントも甘くはありません。
しかし、この法則を別の角度から見れば、ほぼ同じ内容のプレゼンであっても表情・ジェスチャー・声・口調などでライバルに大きな差をつけることが可能だ、ということです。

最後に、司会のアンジャッシュ・渡部さんが言っていました。
「情熱があればいいってことだ!」

そう、これは正しい。
プレゼンというものは、究極、「これ、すごいだろ!」とあなたが言って、相手に「ふ~ん?」じゃなくて「すっげぇーー!」と言わせることです。
絶対、「すっげぇーー!」って言わせてやるぞ、という情熱なくしてプレゼンは成功しません。最初から、「言わせられるかなぁ?」では、勝負にならないんです。

ただし、情熱は、スタートライン。情熱がなくては話になりませんが、情熱だけでは無理なのです。その情熱を、伝える方法を、ちゃんと知らなければいけません。情熱と伝達、プレゼンの成功は、この2つがカギです。

山本さんが「情熱は持ってるけど、なかなかそれが出せないんです。」と言っていました。
そこが、プレゼンの成否を分けるポイント。
聞き手に伝える「情熱」を持つことと、それを聞き手に伝えることができること、その2つが揃って、通るプレゼンになるのです。