言葉の世界スタンダード

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

ラグビーワールドカップ開幕まで1ヶ月を切りました。今回はそれにちなんだ話題を。
 


ラグビーワールドカップで盛り上がる今、以前見たTV番組「奇跡のレッスン」をふっと思い出した。

それは世界一流の指導者が短期間、日本の中高生を教え結果を出すというシリーズ番組で、その回は元全日本ラグビーの指導者、エディ・ジョーンズ氏。
現在はイングランドの監督。
日本のラグビーチームを、W杯で強豪南アフリカを下すまでに成長させた人物。
日本ラグビーの礎を築いたともいえる名コーチだ。


指導するのは目黒学院高校ラグビー部。
日本滞在5日間の指導、これが彼に与えられた時間だ。
彼らを4日間トレーニングして、最終日には専修大学のラグビー部と戦って勝ちを納めるまでに質を高めたのだ。


実は、そのトレーニング手法、全く理にかなったものなのだ。
ラグビーというスポーツ種目としてはもちろんのこと、生きていく上での
普遍的な人の行動においても。

最初、生徒たちの練習をサッと見ただけで、まずやるべき3つのポイントを掲げた。
 1-コミュニケーションを取る
 2-ラグビーは走るスポーツ、常に全力で走る
 3-身体はいつも正面を向く


その指導法を見て思ったことは:

言葉が鋭い。もっと言えば、キツい。
しかし、真理を突く端的な言葉。


たとえば。
試合中に選手達が声を出しているのを見て、
「金曜日の居酒屋だな、声が大きいだけで意味がない」

質問に答えられなかった生徒に対して、
「おまえ、脳みそはあるか?部屋に帰って探してみろ。
どこかに落ちてるかもしれないぞ」

プレー中、相手に声掛けをしない生徒を見て、
「おまえには口がついてるのか?」
生徒がありますと言うと、
「その口を使え!」

「タイガ」という名前の生徒が、のそのそ走っていると、
「おまえはタイガーじゃない、ネコに名前を変えろ!」
でも彼が発奮して良い動きをするとすかさずそれを捉えて
「おまえはジャングルの百獣の王だ!」


これだけの"強い言葉"を吐き、心に響かせる。
だからそれが生徒の心をえぐり行動を変えさせていくのだ。


それに引き替え、昨今の日本語はどうだろう。
どうかすると
「傷ついた」
「差別だ」
「無視された」
[ハラスメントだ」
そう言われるのを恐れて、すべての言葉が弱い。


チームの生徒の弱い言葉、最初は、
「~といった部分も、あるのではないのかなぁと、いうふうに、思ってはいるんです・・・」
これが、だんだん、
「~ということです!」
という断定の言葉に変わっていくのを僕は見た。
そうすると顔つきまで変わってくるのだ。

 

このすべての変化、それは心が変わっていくからだ。

 

エディの言葉は英語では当たり前の世界だ。

強く言う。
笑わせる。
切り返す。
パッと人を揶揄する。
それに反発する。

言葉の幅が広い、強い、きつい。

思わず僕は、自分も英語で話している時はこれくらい言っている、これが普通なんだと納得した。

それが世界標準なんだ。


それくらいの「言葉の幅広いベース」の上に立って話すと、
あなたの言葉も、

 力強く、
 堂々と、
 説得力を持って、

話せるようになります。
(この3つは、いつも受講生の口を突いて出る"なりたい理想"です)


言葉に出す。
そうするとエネルギーが出る。

エディもそう言っている。

そうすると"声に出すべき内容"が考えられるようになって来る。
声に出さないでいいと思うから「考えなくてもいいや」となるんだ。

あなたが、しっかり声に出して言うことができれば、
傷つかないし、
差別されないし、
無視されないし、
強くなれる。

弱いから攻め込まれるんだ。


みなさん、考えて、声に出して、"声のエナジー"が出れば、
みんなの望んでいる、「力強く、堂々と、説得力」をもって、
話せるようになります。

がんばろう!!

 

 

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