“通る”面接とは

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

最近、面接試験のプレゼンテーション指導のご依頼をよく頂きます。そこで気づいたことについてお話します。

 


ベストスピーカー/ベストプレゼンセミナーでは、昇進・昇格試験の合格を目指して受講される方が多い。
試験課題のプレゼン、もうひとつは面接、この2つの対策でだ。

そして、嬉しいことに「合格しました!」というお礼メールもよく頂く。
その中で気がついたことがある。


 
合格した人がよく書いてこられるのは、面接試験で、
「終わりは”雑談”のようになった」
ということ。
 
それは試験官が一通りのことを聞いて、
1-まず、”その回答に多分満足”した。
2-そしてその後、興味ある話題で雑談になった
ということだろう。

 

そこで、私のこれまでの就職試験の経験を3つ、パッと思い出した。
 
1-アメリカの某大企業を受験した時。
支社長自ら面接。
雑談の後、不動産屋に住居を探すのに同行もしてくれた。
 
2-国連開発計画を受験した時。
相手はNY本部からの職員5人。
試験は面談のみで、延々2時間にも及んだ。
話は僕のカナダの大学生活、中東での仕事経験やら趣味・生活のこと。
双方ともリラックスしてソファーに掛け、楽しく話をした。
 
3-アメリカの航空会社を受験した時。
阪神ホテルの客室が面接会場だった。
ソファーに座り、面接官が入れ代わり立ち代わり。
半分は雑談だった。
 
これらすべて合格はしたが、結果的に仕事をするには至らなかった。

 

そのことは置いておいて。

いつも僕は講座で言っている。
「誰とでも、どんな話でも出来なければだめだ」と。

そして。
人生を決める、入学、入社、昇進。
その時にこそ、何でも話が出来なければ。

口が開かず、
当意即妙のことが言えず、
あなたの良い性格がまさにその時に出現できなければ、
いくら傾向と対策をやったとしても、持っている知識・経験は水の泡。

だから僕は誰に対しても「いち早く口を開け」と言っている。

 

でも現状はどうか。

セミナーで席が隣になっても5分10分、話さない。
何も変化は起こらない。
自分から起こさない。

食事も黙々と食べる。
休憩もいつも一人。

 

こんな人が人の上に立ってリーダーとしてやっていけるだろうか?
反発する部下、嫌な上司、横柄な顧客なら、避けて通るのか?

否。

リーダーになるような人なら、なおさら口を開いて話し、好感を持たれ、
自身の望むように、みんなを導かなきゃいけないのだ。

誰とも話さない人が、
昇進試験だけは合格、黙って人をリードしていく、
そんな姿、想像できますか?

 

受審に臨む人がふだんから身に付けているべきこと。

それは、
1-誰とでもさっと話せる。
2-5分経てば好感を持たれる。
3-10分経てば自分を売り込んで相手を引き込める
4-また会いたいと思わせる。
 
これらが出来ている人は、合格の可能性はかなり高い。

実際、僕は飲み屋でも講演会でも、初めて会った人と誰とでもさっと話す。
で、結果として、また機会を新たにして「会いましょう!」ということがかなりある。
 
では知識・経験については?
もうそれは、面接以前の必須要項だ。
当然、受審者は持っているべきことだから、”当たり前事項”なのだ。

 

さっと話せる。
この資質、これが大事だ。
 
それは昇進昇格試験の入口なのだ。
そして出口でもあると断言して良い。

 

 

【関連サイト】
スピーチ力向上:アドバンス講座 [A]―スピーチスキル-臨機応変力/展開力

プレゼン力向上:アドバンス講座 [C]―スピーチスキル-プレゼントーク/組立
 
【ベストスピーカー講師・高津和彦の新著】
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