こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
ベストスピーカー/ベストプレゼン受講の皆さんはよく、「相手に伝わらない。これを直したい。」と言われます。
今回は、その原因を端的に示す興味深いエピソードを紹介します。
アメリカに長期滞在後に帰国してきた友人から、先日聞いた話。
日本の店に入って、"びっくり体験"をしたと言う。
1,000円程度の買い物をしてカードで支払いをする段になって。
「お支払いは何回払いにされますか?」
は?!
当然、1回でしょう?
で、支払いが済んで、その小さな商品を包み終え渡してくれると思ったら、
「お見送りさせていただきます」と言って、それを渡してくれない。
仕方なく一緒に入口へ向かう途中、店員が話しかけてくる。
「またどうぞ遊びに来てくださいね!」
友人、心の中で、
「買い物には来るかもしれないけど。遊びには来ない…。」
入口まで来て、そこでやっと品物を手渡してくれて。
すると同時に、店内の3人のスタッフが揃って両手をミゾオチ付近で重ね合わせてのお辞儀。
アメリカでは見たこともない!
あ、お辞儀自体、ないか、アメリカには。
アメリカでは絶対ありえない。
日本に暮らしていても「少し過剰かな」とも思えるこれらのサービス。
海外からの視点で見て、友人にはちょっと衝撃的だったようだ。
が、ここで言いたかったことは、アメリカ流にしようということではなく、
「普通に、自然にしよう」ということなんだ。
もう少し分析を続ける。
昨今、これらの過剰サービスがメディアを通じて、かなり浸透してきている。
そして販売だけではなく、一般人の一般生活、精神性にも影響してきている。
特に、"人前での話し方"は大きく影響を受けている。
つまり、その注目ポイントとして、
1-常識的な内容なのに過度に丁寧に言う。
2-持って回った言い方をする。
3-過剰に敬語を使う。
これらは、聞き手に「違和感」をもたらす。
つまり、話し手自身の"自ら進んで"ではなく、第三者の指示によっての
"やらされて"の言動だということを、聞き手は感じ取るから。
そして何回も繰り返し言われると、もう聞きたくないという気持ちになる。
拒絶感につながるのだ。
すなわち、これが「伝わらない」の最大の原因です。