こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
以前、ベストプレゼン/ベストススピーカーセミナーを数度、受講して下さった方で、今でも記憶に残るプレゼンターがいます。
引き付けるプレゼンを目指す皆さんの参考になると思うのでご紹介します。
IT関係の会社で営業をするAさん。
若干20代で「これからの営業マンはプレゼン力、スピーチ力が必要だ」と、ベストスピーカー/ベストプレゼンを4回受講された。
2回目のプレゼン講座。
自社/自分のミニプレゼンのトレーニングで、1回目の講座の時は自社について話された。
僕は、2回目も同じ内容ではつまらないと思って。
「あなたがベストスピーカーの営業マンだと想定して。企業にこのプレゼン講座を提案する、これでやってみよう」と言った。
彼のプレゼン。
さすがに2回目の余裕。
冒頭、
「私はベストプレゼン講座を受けて、実際、自分の売上が昨年対比700%アップしました!」
と誇らしげに言う。
それを聞き、他の受講生はへぇーという声をあげたり、無反応であったり。
僕の講評は、
「700%というのはいかにも取ってつけたよう。信頼性を損なう。
小数点一位まできっちり言ってみて。」
なぜなら総じて、そういう「10倍、100倍、2万%」という思いつき数値を、みんな、勢いで言うからだ。
すると彼は、「小数点以下はわかりませんが正確には709%です」
と平静な声で、すぐに答えを返した。
みんなは一斉に、「ほう~っ!」と真実の感嘆の声を発した。
これだ!
これが真に、"数字が信頼につながる"ということなのだ。
さらに彼は、
「元々は部長が担当していた商談、ダメになりそうだったのを僕に担当変わって。
それが復活して、来週頭に大阪からわざわざそのクライアントの社長が、
最終チェックだけのために、僕に会いに来てくれるんですよ!
だから僕はウキウキなんですよ、もう決まってることだから」
この「大阪から」という固有名詞を入れての事実開示。
そして、この文面からでは伝わらないが、「わくわく感に満ちた」その話し方。
他の生徒の目は、彼に"くぎ付け"だったことを僕は鮮明に覚えている。
これがプレゼンなのだ。
Aさん!さすが2回目受講だけのことはある。
そう思ったのは僕だけではなかったはずだ。
教訓:
「学びにジ・エンドはない」
あなたもそんなベストスピーカーを目指してください!