こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
久しぶりに再会した知己との想い出話から、ひとつの気づきを得ました。
それについてお話します。
結婚した人、皆さんは結婚式の司会者を覚えていますか?
昨日、久しぶりに会った知人のAさんが、僕が司会をした彼の娘さんの結婚式のことを語ってくれた。
僕が全く覚えていなかったこと。
もう20年前のこと。
それは、“僕が主賓のスピーチを話の途中で止めた”というのだ!
はぁ~っ?!
そんな失礼なことを僕がした?!
しかも、それに対して彼は喜んでいてくれているのだ。
彼は語ってくれた。
主賓のスピーチは高級料亭のオーナー。
そこで新郎(Aさんの娘さんのお相手)が働いていて、そのオーナーは新郎を料理人として高く評価しているのだが。
それはもう、40分にもなろうかという勢い。
(と、Aさんは言ったがそれはありえない。40分も僕は放っておかない。
でも彼はそう感じたんだろう。実際はおそらく10分だったろうか)。
新郎新婦、そして両家の両親、ずっと立ちっぱなし。
(もちろんその両親の内の一人がAさん)
だんだん思い出してきたぞ!
そうだった、そうだった!
いくらなんでもスピーチ長い。
場にもその雰囲気が漂っている。
かと言って、あからさまにやめろとは言えない。
しかし、その場を制御できるのは僕、司会者だけ。
あなたが司会者ならどうします?
話が少し途切れた間隙に、すかざず、僕は、
「まだお話は続きますか?
ご両親には座って頂いてよろしいですか?
新郎新婦はそのまま立っててくださいね。」
こう言って話を遮った (らしい。僕は実は覚えていなかった)。
もちろん、だめだ!と言えるはずはないよね。
相手は。
すっばらしい作戦じゃないか!!
(自画自賛)
オーナー氏も少しは感づいたんだろう、そのあとは適宜話をまとめられたように記憶する。
続く、乾杯の発声。
その店の料理長だったか、始める前にまたもや僕が一言牽制 (したそうだ)。
僕はにこやかに、
「あっ、ご発声が長くなるようでしたら、皆さまには座ってお聞き頂きますが」と言ったと。
シェフは(笑いながら) 「あっ、長くはなりません!」と返されたそうだ。
Aさん、あの時は本当にありがたかったとおっしゃった。
場の雰囲気を壊さずとてもうまくまとめてもらったと言われた。
そして、司会をお願いしてほんとうに良かったと。
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このAさん、通訳の仕事を通じて長年お世話になった方。
4年前に定年を迎えられ、故郷の群馬県に居を移された。その動静を最近、Facebookを通じて知った。
近況報告もしたいし、「実際に会いましょう!」ということになって。
東京での仕事の合間を縫って、一昨日、お会いすべく電車に飛び乗った。
で、長らくぶりの再開となったというわけ。
Aさん自ら、愛車AUDIで熊谷駅までお出迎え。彼の家に向かう道すがら、まず車談義に花が咲く。
ドイツ出張でアウトバーンを時速200kmで飛ばした仲だ。
こだわりの車好き、変わってない!
家に到着。
彼の奥様も仕事でお付き合いがあったので再会を喜ぶ。
そして数ある想い出話の中で、冒頭の結婚式のことを語ってくれたのだ。
“アウトバーン200キロ疾走”談義よりも、”ハノーバーメッセ出展”苦労話よりも、”社内英会話講座”エピソードよりも、何よりも、あの結婚式のことを。
“主賓のスピーチ中断”事件の記憶が、感謝が、鮮烈にあったから。
僕の記憶からは全く消え去っていたその時のことを。
だからこそわざわざ車で迎えに来て、自宅にお招き頂き、奥様とともに食事にも誘って下さって。
そんなにまで記憶にとどめて頂いていたとは!
心に残る再会だった。
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今日のポイント。
「この状況、放っておくとまずい」と思ったら。勇気をもって声に出そう。
自分のベストの”気”で。
そうすれば、
結果が出る。
相手の記憶に残る。
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