こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
前回に引き続き、日本人に今、求められることについて述べます。
先日テレビで流れていた番組で、
「買物をして紙袋がいくつにもなると、かさ張るから風呂敷を使いましょう」
という主旨。風呂敷の良さを訴える特集コーナー。
それを見て、ふと思ったこと。
確かに、いくつも買い物をするとこれでもかというほど立派な大きめの紙袋に
ざくっと入れてくれる。持ち帰ったあと袋や箱がたくさん残って困る時もある。
それで風呂敷を使えば、まとめて包めるから量も最小限にできるというのは頷ける。
しかしそれは、単に"風呂敷を活用すればいい"というだけの話じゃないか?
わざわざ特集を組んで包み方のあれこれを包装、いや、放送(笑)するほどのこと?
ここで僕が言いたいのは。
そんなにたくさんの買い物をして、モノを手にいっぱい持って帰るという
その風景を想像しただけでー。
それはもう、「私を襲って下さい」と発信しているようなもの。
実際あちこちで「海外旅行で、スリに遭った、パスポート盗まれた、置き引きされた、ホテルの部屋が荒らされた、ケチャップ強盗に遭った」…、などの話をよく聞く。
皆さんも、知っている人で被害にあった人が誰かいるでしょう?
そんなに頻発しているのです。
世界では。
翻って。
日本でそんな目に遭ったという人は周りにいますか?
世界的に、特に欧米では、
1-そんなにモノを買わない。必需品以外は。
彼らは土産物もほとんど買わないでしょ(中国爆買いは特異)。
2-買うのだったらネットで、店でならばかさ張るモノは配送で。
"お持ち帰り"は目立たず、量を少なく。
3-買ったとしても駐車場へまっしぐら。
買い物袋を持ってウロウロしない。
4-買い物袋を持ったとしても物騒なところは歩かない。
日本は本当に「安心、安全のお花畑」が社会のベース。
事実、番組中「安全には気を配りましょう」の一言もなかった。
しかし、世界においてはこれこそが大事なのに。
すなわち:
#世界に自動販売機は日本ほどない:あったら機械ごと盗まれる。
#アメリカではオレオレ詐欺はない:電話の話で振込むなんて論外。
#落とした財布はまず返ってこない:返ってきたらそれはラッキー。
教訓:
メディアに流されてポーっと見てると洗脳されて、世界感覚からは大きくずれていきます。
「遠山の観」という言葉が剣道にはある。
相手の一点を見るのではなく、大らかに足の先から頭まで、背景までもを、
遠山を観るように見ろというのだ。
情報もそう。
一点だけじゃなく周囲も見る。
バランス感覚。
俯瞰的視点。
それがバランスの取れた話の内容にもつながるのではないだろうか。
そして、"世界の日本人"に今、求められることだと思う。