こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
	今回は、「伝わらない」出来事との遭遇について。
	なかなか教訓的な話です。
僕の会社の近くに100円ショップがあって、事務用品の購入に重宝している。
	先日もストックしていた電池がなくなったので買いに行った。
	4本パックで108円。
	レジでは誰も並んでいなかったので待つこともなく、すぐに精算が終わって、
	即、品物を渡してくれた。
	
	と、瞬間、レジの女性、
	「長らくお待たせ致しました。ありがとうございました。またのお越しをお待ちしています。」
	
	マシンガントーク!
	超人的速さで言う。
そりゃそう、こんな長い文だもの!
	
	その時、僕はとても急いでいて、品物を受け取ってすぐに立ち去ろうとしたので、
	彼女が「長らくお待たせ致しました。ありが…」と言った時には、
	体はすでに出口の方へと向いていた。
	「長らく待ってないって!」
	「すぐレジ精算、してくれたじゃない!?」
	
	店を出てから「すごいな」と思った。
	こんなに記憶に残るという意味では。
きっとあれだけの文言を言うようにマナーで指導されているんだろう。
	
	しかし、これでほんとうに感謝の気持ちが伝わるのか?
	実際のところ、全然「長らくお待たせ」じゃなかったし。
	目を見ることもない「ありがとうございました」だったし。
	言わないといけないこといっぱいで顔ひきつってたし。
	最後まで言わなきゃと、「お待ちてやーす」って語尾はしぼんでいってたし。
	
	絶対、次回の僕を待っていないと思います、ほんとうに。
	確信できる。
	
	心を込めて目を見て笑顔で、
「ありがとうございました!」
とだけを、一言だけ言ってくれた方が、絶対、伝わっていた。
	
	たくさん言えばいいんじゃない。
	教育マナー文言じゃない。
	気持から出る一言だ。
	
	気持を凝縮させた"その一言"が心に響くんだ。