こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
今回は、知的好奇心から"話の引き出し"が増えていく過程を高津流にお話します。
僕は探究心が旺盛なせいか、地名が「なぜそう名付けられたのか」
ということに常日頃、興味を持っている。
発端は「愛知」だった。
名古屋にベストスピーカー講座で教えに行っていることから、ずっとそう思っていた。
なぜって、「愛知」、知ることを愛するなんて、地名にしては美し過ぎる名前ではないか。
きっと人為的に付けたに違いない。
調べてみると案の定、「あゆち潟」、入江の潟と言う意味が語源。
なるほど、名古屋は木曽川の河口に発展した都市、潟があったのだろう。
そこに「愛知」という美しい字を当てはめたのだそうだ。
脱線するが「愛」はラテン語で「Philo」、「知」は「Sophia」、
つまりPhilosophy、"知を愛する"は「哲学」という意だ。
だから「愛知県」は「哲学県」!
愛知県の皆さんは、哲学者なんです。
「高知」。
高知市の鏡川が氾濫を繰り返すので、元々は川に囲まれた土地を意味する
「河内」(こうちと読む、大阪ではかわちだけど)だったのを、験の良い「高知」に変名したのだった。
話は飛ぶが、ベトナムのハノイも元々は漢字の「河内」から来たものだ。
こうして色々調べていくうちに、美しい漢字を持ってきて地名を名付けたり、
変名したりしてできる地名を、「瑞祥地名」というのを新たに知った。
じゃ、なぜ「大阪」なのか。
明治時代、それまで使っていた「大坂」("おおざか"と発音していたらしい)の
「坂」は土偏に反、つまり「土に返るという意。それは死を意味して縁起が悪い」
ということから、土偏をこざと偏にすり替えたのだ。
そこで新たに、もう一つ疑問、
「大阪には大きな坂も無いのに、なぜ大坂と呼ばれていたのか」が沸き起こった。
調べてみると、もともとは「小坂」(おさか)という地名だったらしい。
それなら分かる。
だって大阪の中心に位置する上町台地には小さな坂がいくつもあるから。
で、たぶん「小さい」よりも縁起のいい「大きい」になったんだろう。
これに関連して。
なぜ昔は東京一帯が「武蔵の国」と呼ばれていたのか。
きっと誰も疑問に思わないだろうけど。
諸説の中で面白く、かつ信憑性を感じたのはこれ。
もともとは荒れた土地を意味する「むさ」が語源。
むさ苦しいとか、無作から派生したと思われる。
そしてその「むさ」の国には「むさ上」と「むさ下」に分かれていた。
ちなみに京都に近い方が「上」、遠い方が「下」である。
そして「むさかみ」が訛って「さがみ」になり、「むさしも」が訛って「むさし」。
その音に、「相模」、「武蔵」と美しい字を当てはめたのだという。
さて今回の話のまとめは?
そう、書く文字も美しさや縁起の良さを目指して、このように言い換えるのだから・・・、
話す言葉も、美しく、人に良く聞こえ、自分を美化する言葉で話しましょう。
いや。
"話の引き出し"を増やすのは、好奇心、探究心だ。
いつも自分の身の回りに注意を向けよう。
それがあなたを、「面白い話題が豊富な人」にする。
これを今日のまとめとしよう!