こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
僕は"面白い話"の構造について、よく受講生に説明します。今回はその分析。
これまでも皆さんによく話しているが、僕は落語を演じる。
また授業の中に小噺を取り入れて教えてもいる。
なぜならなら落語はたった一人で様々な人を演じ分け、そして聴衆をひきつける。
落語には何百年にわたって語り継がれてきた"話の技術"のエッセンスがぎっしり詰まっている。
だからこれを学ぶことで人前で話すことに非常にプラスになるから。
面白い話をして人を引き付けたいと思う人にはなおさらだ。
ところで以前もブログに書いたけれど、
「面白い話だから笑うのではなくて、面白くなるように組み立ててしゃべるからおもしろい」のだ。
つまり内容がいくら面白い話でも、言い方によって全く面白く聞こえない。だから小噺の練習で、相手を納得させていく高度なテクニックが培われる。
現に僕の友人の保険の営業マン、落語を習ってから顧客獲得率が急上昇したほどだ。
そのせいか、ベストスピーカーの受講者で、
「落語、一度やってみたいんです」
という人が結構いる。
それは経営者や人前で話すポジションの人から言われることが多い。
きっと話し方に与える落語の効用を、彼らはうっすらと感じているんだろう。
まとめると、落語の"面白い"の構造とは、
1-直接話法と間接話法
2-三段論法
3-緩急の間合い
4-もって行きようと組み立て
5-形容語句の感情移入
と言える。
「はぁ~そういうことですね」とつぶやいて、落語のネタ本を買って読んでいるだけではダメです。
この理論をいくら理解しても実際に演じてみないと、現実のスピーチには生かされない。
だからベストスピーカーの授業で教えたら、僕はいつも、
「今日帰ったら家族の前で必ず演じてみること」と言う。
実際、帰り道に復唱して、家に着いて忘れないうちにと思い、風呂に入っている子供と奥さんの目の前、即、ドアを開けてその場で演じて子供に大受けした人。
会社の忘年会で披露して、大笑いをゲットした人。
貸し練習室の空くのをロビーで待っている間「おっちゃん!たいへんやっ!」と練習していて、ほんとうに管理の"おっちゃん"を管理室から飛び出させた人。
すべて、人の気を引っぱり込んだのです。
実践あるのみです。
それがあなたをベストスピーカーにする!