「自分の意思」を話す-2

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

前回に引き続き「話す」ことと「日本の文化」についての関係です。

 


皆さんは自衛隊を含めた世界の軍隊が、様々な活動を行っていることをご存じだろうか? 
私の友人は海上自衛隊隊員として商業船護衛という国際的任務に就いていた。
その時の話。


彼はその任務の中で国際会議があり出席したという。
各国の軍隊から担当者が派遣されて。
会議での言語は英語。
司会はフランス人。


その中で、冒頭、司会者曰く、
「こういう国際会議の中で司会として大事なこと、それは、
いかに"日本人をしゃべらせ"、インド人を黙らせるかだ」。


開場、笑いの渦。

ガーン!

そこまで言うか。
そこまで思われているか…。

フランス人といえば、前回のタイタニック小咄の中では、
「飛び降りるな!」と言われれば「飛び降りる」国民性だ。
言ってくれるよなぁ。


そういえば。
僕も同じような経験がある。

ある集まりで知り合ったハワイ大学の先生。
曰く、
ミーティングで日本人は全くしゃべらない。
で、英語ができないのかと思って会議中そっと話しかけてみると…。

「なんだ、全部わかってるじゃない?」
「ちゃんと聞いてるじゃない!」
「じゃ、なぜ思ったことをみんなに言わないの?

それが日本人の印象だと彼は言った。


前にも書いたと思うが、
もう何十年前、僕がカルガリー大学在学時。

昼食は広いカフェテリアで何かしら誰かと話しながら飯を食う。
ある時10人くらいだったと記憶するがちょっとしたディスカッションになって。
そこにいたイラン人留学生、英語もまだあまりしゃべることができないのに、
皆の話す間隙を縫い、身振り手振りで他の人が話に割り込むのを遮りながら、
自分の思うところを堂々と話していた。

まだ未だに脳裏に鮮明だ。

1人くらいそういうやつが出ろよ。
日本人から。


逆に、あなたは
インド人・イラン人の中で、思っていても話せない静かな人が誰か1人くらい、いるかもと思ってる?
たぶんいないんじゃないかなぁ? いるかなぁ??

国民性だなぁ、これは。


しかし国際舞台、事ここまでくると、
「それは日本人の国民性」で片づけることはできない。

世界中で自分1人だけ、そんなに黙り込んでいると、
あなたの知らないところでどんどん事が運ばれて行って、気がついた時には誰もいなくなっていた…、
ってことが本当に起こります。


話が暗くなるので、ここで前出の友人の海上自衛官君からの「日本人の国民性」の良い話を一つ。

「各国の艦艇が商業船を護衛して随行していく中で、大体、どの艇も全体の船団のスピードに合わせて進むのが一般的なんですが、
日本艇、つまり自衛艦は、ともすると船団からこぼれ落ちそうになる一番遅い船に速度を合わせ護りながら進んでいくんです。」

良い話だなぁ。
 

これができるんだから。
プラス、
「先頭に立って全体の場の話もリードしていく」、
これが日本人にできないかなぁ…。


そうなってくれることを信じて、僕は日々ベストスピーカーで教えている。

あ、僕はそこそこリードしますよ。
だっていろいろ国際会議やレセプションも企画して司会もしてきたから。

皆さんも頑張ってください!
 

 

【関連サイト】
"スピーチ力向上:緊張克服・あがり症対策のスピーチスキル習得セミナー

"プレゼン力向上:プレゼンテーション講座/実技トレーニング