こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
第一印象で相手に好感を"持たれる人"と"持たれない人"との違い。
それについて今回は分析します。
先日、ワイン会に行った時のこと。
参加者は僕にっては初めての人ばかり。
その中で隣りに座ったのは、前回も参加されたというAさん、士業の女性。
話も盛り上がるし、すぐに明るく笑ってくれる。好感の持てる人だ。
彼女は高卒で民間企業勤務から一念発起、働きながら資格を取ったという努力の人。
基本的に"勉強家"。
しかし明るいし楽しい人だ。
話が広がる中ですごい事実が判明した。
それは、Aさんの友人が、知り合いの士業の事務所にAさんの就職を世話しようと紹介した。
(そこが偶然にも、以前、ベストスピーカーセミナーを受講した人の事務所!)
で、彼女はそこを受験されたが就職を断られたと言う。
えっ、こんなに明るくて良い人なのに!
ふつう断らないでしょう?
資格もちゃんと取っていて、特にこれといった問題もないし、知人の紹介もあれば。
僕は思わず言った。「何がダメだったか聞いてあげようか?」
Aさんは「もういいですよ」と言ったが・・・。
僕は真剣に考えた。なぜAさんがダメだったかの理由を。
こんないい人なのに。
仕事面のことは僕にはわからない。
しかしその後もいろいろ話をしていく中で、僕が気付いたこととは・・・。
それは、話している間、Aさんはほとんど全くと言っていいほど僕の目を見ない。
たまにチラッと上目遣いに見るくらいだ。
その行動が好印象と言えない感じをふっと起こさせるのだ。
そう、ただ一つ。
「相手の目を見ない」
これが大きな、そして致命的ともいえるマイナスなのだ。
話している内容は興味深いし、多方面にわたっていろいろ知っているにもかかわらず。
じゃあ、なぜ2人で話していて楽しかったのだろうか。
それは、"僕が"話を楽しくしていたから。
事実、向かいに座っていた男性が、
「きみら2人だけが盛り上がってる」と言って、会話に割り込んできたことでもわかる。
しかし、その会話が、もし楽しい話でなかったら。
面接試験のように。
そして目を見ることもなく話が続いたとしたら、
それは結果として不採用になってしまうのではないだろうか。
ふとそう思った。
色々話し込んだことで、Aさんは僕を気に入ってくれていた。
だから会が終わり、駅に向かう帰路10分程の間も、2人だけの会話が続いた。
ところが。
駅手前の信号で別方向に別れて歩いていくAさんを、僕は心情的にも儀礼的にも立ち止まって見送った。
が、彼女はその数10秒間、一度もこちらを振り返ることもなく、ビルの中へ消えていった。
休日で人影もまばらなビジネス街の駅ビルへと。
目を見ない。
振り返らない。
そこに何か好感を阻む、共通の原因があると僕は確信した。