こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
今回は、あるパーティに参加して感じたことからの問題提起です。
私の知人Aさんが、永年、視覚障害者の支援に功績があったということで表彰を受けた。
彼自身も目が見えないのだが、地域の障害者協会の会長として、会員たちのサポートを精力的に行ったり、創作落語に挑戦したり、たいへん明るくて前向きな人。
実は彼は僕の落語の弟子で、その関係で親しくお付き合いしている。
で、その祝賀パーティ。
参加者は、Aさんと何らかの関係がある人たち。
国会議員からヘルパーさん、弁護士の先生など多士済々だ。
僕にとっても、Aさんを介して知り合った方たちが多く参加されている。
その中に、久しぶりの顔を見つけて話がはずむ。
祝宴の開始になって、ふとAさんの席を見るとポツンと一人、Aさんが座っている。
えっ!?
今日の主役なのに。
誰も話に行かないなんて。
表彰されてる一番の主役なんだよ!
一人ぼっちにするなんて、みんな何やってんだ。
僕は幕の内弁当をもって彼の横に行き、いろいろ話をした。
Aさんはとても喜んでくれ、本当の意味で"お祝い"が出来たと思った。
大体、傾向として日本人はこのようなパーティでは、自分の知り合い、身内でかたまって話し込む。
また自分の必要なことだけ済ませたらすぐに立ち去る。
現にこの時も政治家の先生たちは乾杯が終わるやいなや、さっさと会場を後にした。
売名行為と言われてもしかたがないよね、
そういうことでは。
また今回とは違うが、ある異業種交流会で招いた講師の先生に、人を押しのけて割って入って名刺を渡し、あとは自分の仲間で飲み食い、講師の先生はほったらかしという光景も目にした。
経験豊富な、もう立派な立場の社長さんたちがである。
いったい何のために名刺を渡したんだろう。
話を戻して。
今回は、"主役を立てる"ことが大目的なのだから、その人自身をよく知らなくても、
一人でいるところを見れば声を掛けるべきだろう。
つまり。
いくら話し方の術を持っていても、人としての基本ができていなければ、
本当の意味でのベストスピーカーではないのだ。
僕がやってることは、"話し方の技術を教える”ということ。
しかし、それ以前の「人としての当たり前のこと」をやってくれているかどうか。
ふと懸念が心をよぎった。
いや。
皆さんに限ってそんなことはない。
そう思っています!