「伝わる英語」の獲得法

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

今回は、世界のベストスピーカーを目指してほしい皆さんに対してのメッセージです。

 


NHKでビジネス英会話をやっている。
結論から言うと、全くこれは役に立ちません。


その理由:

1-"いつも白人が上司"という設定

日本人は常に部下。
白人からいつも命令されるのが潜在意識として植えつけられていく。
対等に話せないというイメージが、もうそこに表れている。
日本人が上司で、白人が部下という設定があっただろうか?

また(多民族の中で)みんなの共通語である英語で、日本人同士も話す。
そんなシーンがあっただろうか?
多様な人たちが議論する中では、同国人同士でも英語で話す、これが世界での英会話の一般的情景なのです。

 

相手に、気持ちがひれ伏して、言葉はしゃべるものではない。
例えば、白洲次郎はイギリス仕込みの英語で主張すべきところは頑強に主張し、GHQ要人をして「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた。
そして尊敬されていたではないか。

欧米人に対して、ちょっと表現はきついが"心情的奴隷状態"の人たちが制作している。
それが番組の会話の端々に出てくる。

 

2-日本人による「日本語の翻訳英語」

たとえば、「車が混んでいて遅れた」と理由を言うシーンで。
"Sorry, the car is delayed due to the traffic congestion."という英語。
"英語人"はそうやすやすとSorryとは言いません。
自分のせいでもなかなかSorryと言わないのに、ましてや他人の渋滞のせいでSorryは言わない。

また、どんな時でも、
"I would like to ~"という。日本語の「させていただきたきたく~」の直訳。
実際は、そんなに改まって丁寧には言いません。

 

3-文章が長文

普通、会話の文章は単文の羅列です。
が、そのビジネス英会話では、書き文章の、関係代名詞オンパレードの長文。
そんな複雑な文をいきなり初心者に覚えさせる。
書くだけでも時間かかってしまいます。

覚える英語ではダメ!
まずは瞬発的に出てくる単語、単文、それをマスターしていくという課程を経て、
複文、重文になっていく。

たぶん日本でお勉強がよくできて、英作文が得意だった優等生が制作しているのだろう。
海外で何年か過ごして実戦でもまれると、実際こんな英語は使わない。
ま、あるとすれば宮中晩餐会か、大統領謁見くらいでしょうか。


このような英語から入っていくと、それは実戦の英語とは乖離しているし、伝わらない。
うまくならないのは目に見えている。


では、どう英語に挑戦するか?

それは;

単文をたくさん"モノにする"。
即、口に出して言えるようにする。
ことあるごとに常に短文で言う。
それができたら、文をつなぐ。
最初から複雑怪奇なハイレベルな文を覚えないこと。


そのためにはいつも即座に口に出して言うことです。
長文、丁寧文、日本語直訳文を、まず想定してから言っているようでは絶対ダメです。

英会話スクールに全く行かずに自ら独学して、カルガリー大学3年次に、
大学の面接と日本での大学の成績表提示により編入した、僕が言うのだから間違いありません。


そして最後に。

それは奇しくも、このやり方、日本語でのパブリック・スピーキングの上達手法と全く同じなのです。

 

 

【関連サイト】
"プレゼン力向上:プレゼンテーション講座/実技トレーニング

"スピーチ力向上:あがらず伝える/聞き手を引き込む―パブリックスピーキング獲得セミナー