こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
ある受講生のプレゼンエピソードから、僕の"共感されるプレゼン"論を2回にわたってお話します。
ベストプレゼン修了生がメールしてくれた"プレゼン大成功の報告"を、先日の講座の中で事例紹介として話した。
その報告とは「800人の医師に向けたプレゼンテーション」。
金額に換算すれば1200万円のプロジェクト!
つまりプレゼンしたその受講生は、いわば、"1200万円プレゼンター"!
すごいでしょ?!
その修了生はすごい人なんだよと。
そして、皆さんもそうなれるんだと。
つまりプレゼンでは"具体的数値を提示"することで、より共感度を増すことを、この事例で説明したのだ。
それを聞いた受講生から、
「すごいですね、そんなプレゼンをする方もおられるんですね!」
という声が一様にあがった。
つまり僕が言った「医師 800人」という言葉によって
「このプレゼンターはすごい!」と言わせる、"僕のプレゼン"になったのだ。
そこでこの話を一歩踏み込んで、引き付けるプレゼンの学習教材とします。
つまり僕が考える"共感されるプレゼン"論。
よく引き付けるプレゼンテーションにするには、"具体的数値"を使えといわれる。
が、ただ単に数値だけを出せばいいのだろうか?
確かに、「多くの人の前で」と言うより、
「800人」の方が説得力がある。
が、もっと"具体的に"というなら、
「800人」だけ言うより、
「医師 800人」の方がインパクトある。
なぜ?
それは"医師"だから。
そう、「一般人じゃない、その道の専門家が800人も来たんだ」と、聞いた人に対して"800"という数字が「すごい数字なのだ」と、さらに強く訴える。
数字に、より付加的価値を持たせるということ。
さらに。
この話から「医師 800人」にもっとインパクト付けたいと、僕はふと思った。
「すごいですね」だけで、はたして伝わっているのかなと思ったから。
つまりプレゼンのストーリー作り。ストーリーを豊かにしたい。
内容をどう作り上げるかについての話です。
現象としては。
そのプレゼンターのためにわざわざ時間を割いて、その会場に足を運んだんだ。
800人の医師が。
その800人は、1時間以上はその場に拘束されただろう。
往復に2時間はかかったと仮定してみよう。
最低でも、合計3時間だ。
僕の知人の医師に訊いてみると、彼らの時間給は¥5,000-以上。
とすると、
¥5,000×3時間×800人=¥12,000,000-
金額にして1200万円プロジェクト!
”1200万円プレゼンター!”
他に、お車代やお土産も少なからずあるだろう。
なにしろ医師たちの仕事を休ませて、プレゼンを聞かせるのに拘束しているんだから。
でもここでは計算に入れませんが。
すなわち。
「こんなすごいプレゼンセミナーだったんですよ」を、より大きく共感させる、
「これを成功させたプレゼンターはなんてすごいんだ!」に持っていく。
具体的数字+裏付けストーリー = 共感されるプレゼン
あなたがベストスピーカーなら、プレゼンはこうあるべきです。
(次回に続く)