こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
今回はプレゼンテーションを成功させるためのヒントを話します。
プレゼンでの最優先事項。
それは「"あなた"が話す」ということ。
が、世間で実行されているプレゼンは、この根本原理をを蝕んでいる。
すなわち、場の様々な要素があなたの「話す」を邪魔しているのだ。
それは:
1. 人を見ないで画面を見ながら同じ文言を話す(読む)。
画面の説明、長い文章を朗読する。
画面と同じ文を読むくらいなら、聞き手としては黙っていてほしい。
なぜならその方が静かに読めて、考えられるから。
また、それなら聞き手の手元にある画面のコピーを見る方がいい。
コピーはすぐ目の前。明瞭に見える。自由に書き込みもできる。
2.背後の画面の視覚情報を無視して、画面と違う説明をする。
聴衆の思考を、背後の画面の視覚情報(字/写真)が邪魔する。聞くことを妨げる。
"聞く"と"見る"、同時に2つのインプット処理は難しい。
聴衆に聞いてもらうならば、聞くことに集中できるように配慮すべき。
また、膨大な情報を画面に提示して、時間がないから説明しない。
例えば、聞く方としては「このグラフは何を意味するのか」と判断に時間を要する。
また、この説明文は何を意味するのか、「最後まで読みたい!」となる。
その理解している途中、読んでいる途中で次の画面に移る。
3.手元のパソコンの画面を見て話す。
聴衆が聞いているか、分かっているか、全く人を見ない。独りよがり。
聴衆が見ている画面と同じだろうと思ってしゃべっているが大間違い。
時として、聴衆には字が小さくて見えない。画面のどこを話しているか分からない。
手元の自分のPCだけに読み原稿を表示と思っていたのが、実は全部、前にも映っていた!
という笑えないアクシデントも起こっている。
【結論】
パワーポイント画面は、「パッと見て、さっとわかる」ような、"エッセンス情報”にする。
そうでないと、見た人はそれが何なのか理解しようとする。
何のグラフか、何行にもわたって記されている説明文、複雑な写真など、
瞬時にわからないものは、見る方は自分で、頭の中で処理しようとする。
そうするとスピーカーの話はそっちのけになるのだ。
パッ見てわかる画面だと、聞き手の心はスピーカーに。
イメージが浮かぶ写真、キャッチ―な標語。
そのインパクト情報が、瞬間瞬間、画面から聞き手に語りかける。
そして、それに対するスピーカーの説明に耳を傾ける。聞くことだけに集中できるのだ。
だからプレゼン全体で数枚のページで十分だ。
また画面をくっきりはっきり見せようとして場を必要以上に暗くする。
あなたの顔が見えなくなる。
が、
あなたが"より見え"て、画面が"より見えない"方がいいのだ。
それは、「主役はあなた」だからだ。
画面はあくまで「あなたの後ろのイメージ・サポーター」でしかない。
あなたがまず映えるべきなのだ。
視覚で、聴覚で。
つまり、カッコよく魅せて、動いて、はっきり話して。
そうすると、称賛はあなたに対して送られる。
拍手で、あとで直に話したい、名刺渡したい、サイン本欲しいという気になって。
一般的によくやられるプレゼンはプレゼンと呼ばれるものじゃない。
単なる説明会。
それなら資料を配って、後で読んでもらった方がよっぽど分かりやすい。
でも読んでもらえないかもしれない。拘束力がないから。
例えば、本を見ても分かると思うが、パラパラと見て文字の多さで一気に読む気が失せる本がある。
それと同じ。
といっても、聞き手をプレゼンの席に座らせたとしても、人を聞く気にしなければ、あなたのプレゼンは聞いてはもらえません。
皆さん、パワポ作りばかりに時間をかけてないで。
話し方磨きこそ、時間をかけるべきです。
ベストプレゼンター目指して、がんばってください!
【関連サイト】
プレゼン力向上:プレゼンテーション講座/実技トレーニング