“感動を呼べる話し方”体質とは

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

今回は皆さんへの提言。最近の授業での気付きをお話しします。

 


ベストスピーカーの授業で、「即興スピーチ」というプログラムがある。
その場でスピーチのお題を決め、そのテーマで即、話すというもの。

数度行う中で、「聞き手の拍手の大きさで出来栄えを現す」スピーチ評価セッションも行う。
スピーチ後に「ハイ、Aさんの評価!」と声を掛けて、ほかの聞いていた人が、良かった程度に合わせて拍手で表す。
自分の出来栄えを聴衆に判断してもらい、本番力を養うのだ。


先日の授業でもスピーチ評価を行った。
その中ですごく頑張ったAさん。
みんなの拍手も大きかった。


しかし、その時、僕はあることに気づいた。

それは、僕が「ハイ、Aさんの評価」と言うと、みんな、パッと手を拍手の位置には持ってくる。が、一瞬手が止まる。
そして周りを見て、他人の拍手と合わせようとする。
自分の拍手が突出して早く出ないように、瞬間的に他人の動向を見るのだ。
だから微妙に瞬間の間が空く。


それは、拍手の場面だけじゃない。
みんなが一緒に行うトレーニングのいたるところで。

問いかけられても同じ。
「質問は!」と言われて、まず横の人を見る。
「感想は?」と言われて、周りを見る。


「他人を見る」。
それがもう身についている。


だから何をやっても、何を言っても、パッと思って、パッと行動に移せない。

これでいいのかな?
他の人はどうかな?
突出してないかな?

瞬間、まず他人を見るのだ。
自分の前に他の人。

安心、安全、確認、許可。
これが身についている。


口を開けば、
「あの、質問してもいいですか?」
「服はどういったものを着て行けばいいでしょうか?」
「事前に準備をしていった方がいいことはあるでしょうか?」

パッと自己判断して、自己責任で前に進むということができない人が多い。


そんなことで人に感動を呼べるだろうか。
人を惹きつけることができるだろうか。
多くの人を引っ張っていくことができるだろうか。


自分の五感で、瞬間、感じて、それを素直にパッと出せる人になって欲しいと思う。

 

【関連サイト】
プレゼン力向上:プレゼンテーション講座/実技トレーニング

スピーチ力向上:あがらず伝える/聞き手を引き込む―パブリックスピーキング獲得セミナー