「ノリの良さ」が大事

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

しばしば、就職面接に関する特別講演を依頼され、大学に伺うことがあります。
今回はそこから感じた事をお話しします。

 


 

僕は、ベストスピーカー/ベストプレゼンの講座において、「1回の受講で結果を出します」とうたっている。

だから毎回、一期一会の気持ちで、
 1-可能な限り短時間で心を開いてもらい、
 2-納得してもらい、そこへ
 3-技術の指導を注ぎ込む、

ということを日々行っている。

そもそも「話す」ということは、心が開かれないと、
いくら技術を習得しても実生活で役立たない。
だからスピーチやプレゼンを指導している中で「気」(=心)の持つ要素が大であるということをいつも言っている。

もっと厳密に言うと「ノリの良さ」だ。

 

先日、ある大阪の理系大学で、それが明白に示された。

「就職活動に役立つ自己アピール」という特別講演を大ホールで行った時のこと。

任意受講。
約200人。

普段の授業が終わってから受講に来た学生諸君は、自らの意志で来た。
就職を控えている人にとっては非常に興味深いテーマ。
とはいえ、彼らの「ノリの良さ」には目を見張るものがあった。

僕はまず、
 1-「見てくれが人の評価を左右する」というところで興味を持たせ
 2-ジョークを準備+その場で考えることで親しみを持ってもらい
 3-ボランティア的に人前に出る学生を募り
 4-彼らをたたえ、みんなのやる気を興し
 5-最後の演習で積極的に参加してもらう
という手法を考えた。


発見。
若いということは、ノリが良い!

早い段階で既に、軽いジョークに大きな笑いの起こり。
(通常の社会人セミナーは「クスクス」からスタートするのに)

「これ誰かできる人?」と言うと、もうパッパッと手が上がる。
その"良い気"が会場全体に伝播していく。

最後の演習は、見学の先生や担当教授も交えての発声トレーニング。
そして全員参加スピーチで締めくくった。
質問が相次ぎ、終わってからも何人も残ってくれて個人質問された。

スタートしてどの段階で会場が熱くなったか?
それは格段の早さだった。

 

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ふとこれまでの壮年者対象の講座のことを思い出した。

場が温まるまでに時間がかかる。歳を経てくるとノリが悪くなる。
それは経験から来るものだろう。

「そうかなぁ?」
「ほんとに?」
「ま、一応やってみるけど」、

という"動きたくない気"が顔に見て取れる。


一方、学生諸君は早い。

面白いと、どんどん入ってくる。
そう言えば母校の中学で「先輩の授業を聞こう」を行った時のことを思い出した。
彼等も40分の授業、ガンガンのってくれた。


上達には"ノリ"が大事だ。

パッとのれる若い心を持とう。
とにかくやってみる、
楽しかったら"ノル"、
突き進む。

僕自身も日々そう心がけている。