こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
先日のベストスピーカー受講者の話、大変おもしろく、またそこから展開した話も非常に教育的。
今回はそれについて話をしましょう。
仕事でプレゼンをすることはするが、聞いてもらえないという人は多い。
それは話すことに対し、”取り組むレベル”が上がってきた証拠。
つまり、"緊張する"や"あがる"の次の段階、"引きつけられない"、そんな人たちだ。
なぜ、話で相手を引付けられないのか。
先日、そんなことを考えさせてくれるエピソードがあった。
ベストスピーカーセミナーを受講された人と雑談している時のこと。
ベストスピーカー講座に来るまでの経緯について話が及ぶ。それが、なかなかドラマチック!
その経緯。
僕がその人にインタビュー形式で聞いていくと、下記のような事実が語られた。
以下、1から4の順に内容が深くなっていきます。
1-昇進試験に備えベストスピーカーに来ました。
2-昇格試験では面接が必須で、合格を期してベストスピーカーに来ました。
3-実はそのために、妻がベストスピーカーを探して勧めてくれたので来ました。
4-妻がベストスピーカーを勧めてくれた後、4回も「もう申込んだ?」と聞かれ、ずっと自分は
かわしてきた。が、5回目を断ると、もう家庭不和になるので仕方なく来ました。
この現象を分析すると:
1~4まで、すべて事実として、この話し手の頭の中にある。
それをどこまで、聞き手に対し出すべきなのか。
4まで言ってやろうと決心すると、このようにドラマチックな言葉として出てくる。
結果、とても心に響く、引き付ける話となる。
すなわち。
自分の話が相手の心に響かないという人、事実をどれだけ具体的に出しているかということだ。
それには、ここまで開示して言ってやろうと決断できるかどうかだ。
「こんなだったんだぞ!」
「すごいだろ!」
って聞かせたいという気持ちになれるかどうかだ。
ふつう、
「そんなのカッコ悪い」
「誰も聞きたがらない」
「失礼かもしれない」
「そこまで言うこともない」
いろんな理由で、月並みな無難なこと、一般的なことだけを言う。
だから伝わらない。引き付けない。
もう一歩踏み込もう。
自己を開示しよう。
自分で自分の話にまず感動しよう。
これが人を引きつける、心に響く話ができる要素です。
ここから、もうひとつ。おまけの教訓。
なぜ、この話をブログに掲載するに足る良い話題だと僕が思ったか?
それは、先日訪ねてきてくれた友人に対し、「こんなことがあったよ」って、
このベストスピーカー受講生のことを話したからなんだ。
その友人は「すごいね!そこまで奥さんがしてくれるの!」ってびっくりしたんだ。
「たくさんの受講生がWebを見て来られるよ」という通り一辺の話をした時よりも、この話に格段に驚いていた。
それで僕は「あっ、これは、もう一歩すすめて自己を開示して言うとさらに強く伝わるんだ!」と気付いた。
人に"自分のデキゴトロジー"をちょっと深く話そう。
そうすることによって、自分でも全く気づかなかった新たな視点を見出すことが出来ます。