こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
今回は、ある知人のエピソードから展開していった所感をお話します。
5年間のオランダ駐在から帰ってきた知人がいる。
滞在期間中、その娘をオランダの幼稚園に入れた。国際感覚を育てるため。
当然、娘はオランダ語は分からない。
だから、「トイレに行きたい」のオランダ語のみ覚えさせて。
彼女は最初はすごく苦労した(?)ようだ。伝えたいことが伝わらないと言ってよく泣いて帰ってきたらしい。しかし先生がすばらしい。オランダ語で根気よく優しく話しかけ、普通にコミュニケーションを取れるようにまでしたのだから。
が、今ここで、その教育方法を論じようというのではない。
その帰国後の出来事。
知人は娘を連れて、近所の"外国人交流サロン"に行った。
そこは英語が共通語。近住の日本人たちも、子供たちを英語に触れさせようと連れてきている。
そこで見た光景。
娘は英語はほとんど知らないが、特に動じることもなく自然体で英語圏の子供たちと、身振り手振りを交え片言で話して一緒に遊んでいる。
一方、日本の子供たちは英語で話しかけられてパニック状態。
親に「なに、なに?!何て言ってんの!?」っていちいち聞きに来る。
その娘はひとしきり遊び終わって親の元に戻ってきた。親がどうだったと聞くと
曰く、「だって分かんないもん、あせってもしかたがないじゃん」。
それでいいじゃないか、そんな感想を自ら見出したんだ。
正解は特には無いということを。
どうも最近は「きっちり、丁寧」が行き届くあまり、
何か予期せぬことが起こった時に、迅速・的確な対処ができないことが多い。
それが子供の行動にも表れてきている。
何かわからないことがあると立ちすくむ。
正確な答えをいつも求められるので、考えが委縮する。
間違いじゃないだろうかって懸念が先に走る。
先日、剣道の稽古で小5の子供を教えた後、
僕は不意に「今日は君は何を学んだ?」って質問した。
答えられない。
やさしくレベルを落として聞いてもパッと返答が出てこない。
一つの理由として、いつも先生からは指示ばかりもらっているので、
「受け」しかできない。
「もっと~を~して!」や「~を~するんだ!」などなど。
これじゃだめだ。
で、僕は、
「次回また同じことを聞くから、練習中自分は何をしてるかしっかり考えるんだよ」
と言っておいた。
いつも考えよう。
"自分の頭"で答えを見つけよう。
そしてそれを声に出す訓練をしよう。
そうすれば、
積極的に考えられるようになる。
考えが洗練されてくる。
もっと洗練するために、もっと勉強する気が出てくる。
そう思えるようになる。
自分の中に"プラスの回転"ができてくる。
あなたもがんばってください!
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