こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
今回は、幕末維新の先達のことばから、話し方を考察します。
皆さんが勉強しようとしていること、私が学んでほしいと思っていること、
それは、
「話し方」だ。
では何のために「話し方」を勉強するのか?
それは自分の思っていること、考えていることを「伝えるため」。
そのための行動の第一歩、それは、
「思いがある」、「考えがある」こと。
まず、思っていますか?
考え、ありますか?
これらが無ければ、伝えようにも伝える内容が無い。
また、これらが揺れれば、伝える内容が揺れてくる。
ここで「揺れる」というのは、
弱くなる、
弱体化する、
決まらない、ということ。
これが今、とても多い。
そこで今回は幕末の傑物、勝海舟に登場していただきます。
なぜなら僕はかつて大田区郷土博物館の講座で勝海舟について学び、
先日も彼の所感を古文書の勉強会で読んだから。
勝は下級武士の子に生まれ、幕末の動乱にその英知を発揮し、
どんどん己の地位を上げ、
尊皇派と談判して江戸を無血開城に導き、
新政府から乞われていくつかの職に就き、実力を発揮し、
徳川最後の将軍慶喜の処遇にも関わり、命を救うことに尽力し、
そして、西南戦争で命を捨てた西郷隆盛の名誉も回復していくのだ。
勝海舟は本当に良いことをたくさん言っている。
その中で話し方に関連する言を紹介します。
まず現代人は「空気を読め」の言葉に表されるように、まず周りを気にする。
それが自分の考えを弱めていく。
廻りと合わせて行くために。
1-「行いは俺のもの。批判は他人のもの。知ったことではない」
これぞ、究極、勝海舟の言。
自分を持つ。表明する。批判を気にしない。
その強さを現代人にも持ってほしい。
そうするためにはどうなるべきか、
2-「世の中に無神経ほど強いものはない」
以前、作家の渡辺淳一が「鈍感力」という言葉で表した。
人を気にしない。構わない。自分中心になるということだ。
今、世の人々は"他人中心"。
社会中心という心地良い言葉にすり替えられて。
だから自分の思いをストレートに言うことができなくなっている。
3-「敵は多ければ多いほど面白い」
あなたは"おもしろい"までになれますか?
ここまでなるにはよほど達観した自己を確立しなければならないだろう。
が、最低限でも、「自分は自分」「私はこう思う」ということを
はっきり言えるようになるべきだと思う。
ここから導き出されること、即ち、話し方を極めようとすれば、
まず、自分の考えを持つ。
そして、人を気にしない。
もちろん、人前に立つことに動揺しない。
そして、はっきり言うということです。
それは「勇気」です。
「言う気」は「勇気」です。
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