こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。
ベストスピーカー/ベストプレゼンに来られる皆さんは、よく、人前で堂々と信頼される話し方をしたいと言われます。その重要性を感じたエピソードについて今回はお話します。
白根山、群馬県草津の火山に対して噴火警戒警報が発令された。そして気象庁の広報担当者の発表がテレビで報道された。
最初に目にした午後1時のニュース。
「この話している人の何かオドオドした感じ。一体なぜ?」
と周りで一緒に見ていたウチのスタッフがつぶやいた。
その理由を分析した。
1-文章の中途で、切るべきところではないのにフッと言葉を切る。そして目を上げてチラチラどこかを不定的に見る。
2-メガネが下がっている。やや上からのカメラで撮るから、より一層そう見える。
3-寝グセかしら髪の毛がピンと上を向いている。起き抜け?
4-現場服の襟と、その下のワイシャツの襟との間に、大きく隙間が開いている。緩んだ感じを喚起する。
5-ほとんど下を向いて原稿を読む。だから相手を時々見る時に上目遣いになる。そして重要ポイントで聴衆の目を見ない。
話し方次第で相手は、
「しっかり知らせてよ、何やってんのよ!」と、苛立ちにもなるし、
「現地は状況不明なんだね、活動ご苦労様!」と、ねぎらいにもなるんだ。
そこで、「どうしたら良くなるんですか?」とスタッフに聞かれた。
僕は「そのおどおどした性格を直せばすぐに治る」と即答。
しかし、性格は瞬時には治りませんよね。
でも技術でもって、
しっかり声を出す、
どこまでどう読むか、
正しい切れ目で切る、
など、対処法を学ぶことはできます。
そうすれば堂々としていて「気」があるように見える。おどおどした性格じゃないように見える。
また、上記 2,3,4も、人前で話す人ならば当然チェックすべきポイント。
これも学べば改善できます。
ここで、この原稿を書いていてふと思い出した。
数年前、官庁の方が、"SARS、鳥インフルエンザでの記者会見発表"に向けて受講された。
受講されて数日後、彼から電話がある。
「SARSが解除されて、その発表がニュースで流れますから見て下さい」と。
夜、早速テレビを見た。
あ、彼だ。
「サーズが解除されましたっ!」
その声、その目線、その迫力。
会場がちょっとどよめいていたのを覚えている。
堂々とした発表だった。
聞いていて安心させられるものだった。
はっきり言うから、はっきり相手に受け止められるのだ。
昨今テレビでも、人前で発表する事案が多い。
政治家の記者会見、
列車立往生への見解発表、
企業不祥事のお詫び、
新商品発表
など、次々と。
記者会見する人、発表する人、プレゼンする人。
全ては「話し方」にかかっています。
頑張って下さい。