あなたの話はなぜ伝わらないのか―1

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

先日、友人と食事をしていて、強く感じたことがありました。
「伝わるプレゼン/スピーチ」をしたい人に非常に重要なことです。少し長くなるので、2回にわたってお話します。

 


レストランで。
僕「すみません、取り皿、頂けますか?」

取り皿を持って来て。
店員「こちら、取り皿でございます。どうぞご利用下さいませ」

僕「・・・」


こんなに言う必要ある?

僕が店員だったら、
「どうぞ!」。
(もう持ってきたのを見ているから呼びかける必要もない)

もしくは、時間がかかってしまったら、
「お待たせしました」
ぐらいかな。

あんなくどい言葉は不必要

 

そう、思い出した。
ある雑貨店で、買い物をして。
レジで商品の包装を終えて。

「大変お待たせをいたしました」
「こちらがお求めのお品でございます」
「こちらがレシートと、ご利用のカードのお控えになっております」
「またのお越しを心よりお待ちしています」

くどい!

思いませんか?

 

日本全国、この「サービス徹底」表現が、日本語の基本となっている。
もうテレビがその急先鋒で、こんなのどうでもいいという言葉をのべつ幕なしにしゃべり続けている。


問題は、それが一般人の人前スピーチ、プレゼンにまで影響を及ぼしていることだ。


みんな言う。

「はいっ!みなさま、大変長らくお待たせいたしました。あらためましてXXと申します」
「本日は、お忙しい中を貴重な時間を頂戴いたしまして、ほんとうにありがとうございます」
「え~、もう予定のお時間になりましたのでですね、そろそろプレゼンのほう、始めさせていただきたいと思っております」
「えーっとですね、申し遅れましたが、わたくしXXと申します。XXという会社のほうでXXを担当させていただいております」
「本日は短い時間ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます」

もうこれで20秒。

話、進んでんだか、進んでないんだか、・・・。
この後も延々、この調子でタラタラと話が進む。

3分もこの調子だと、もう聞きたくないでしょう?


そして、このサービス中心の言葉遣いは、話す本題自体にも大きく影響している。

(次回に続く)

 

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