感動的なスピーチ

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

あるベストスピーカー受講生の受講アフターのスピーチの話題を。

 


 

A子さんがベストスピーカーに来られたのは、
これまで人前で話すことが嫌で嫌で逃げ回っていたのだがPTAで大会実行委員長に選ばれ、
総会で2000人の前でスピーチをしなけりゃいけなくなったからだった。

1回目に来られた時、ビフォーのスピーチはそれはもう「嫌で嫌で」やってる、そのものだった。

 

噛む。
声が震える。
長い間があく。
胃がきりきり痛む(と言われた)。

気の毒なほどだった。
薬になるのを逃げ通せば良かったのにと思えるくらい。

 

でもA子さんは三度も来られた。
二回目で、もうできてると思ったくらいなのに。

 

そして3回目の受講の時。
まずビフォーのスピーチ、あれ、こんなに声が出たっけ?って瞬間思った。
スピーチが終わって僕はすぐさま聞いた。

 

「発声練習してた?」

即、「はい!」
この返事は、真実の「はい!」だった。

 

 

そして…。

受講アフターのスピーチは感動だった。

 

曰く;
「私はXX警察に勤めています」
「皆さん、『うちのホテルに来て下さい』とか、『特許でお困りの時はどうぞ』とかおっしゃいます。
しかし私の所は、宿泊施設もちゃんとありますが決して快適とは言えません。
道に迷った時か免許の書き換え以外では、決して利用されないことをお勧めします。」

大笑い。

しっかりと未来への展望を述べてスピーチを終えられた。

 

10人中、最高!
終わった瞬間、大拍手。

良い話だと、他の人が拍手するしない関係なく、即、自らが拍手する。
その良い例だった。

 

終わって僕は聞いた。
「内容考えてたの?」

「はい、来るとき電車の中で何言おうかと思って。それとその前の人のスピーチを聞いて。」
はっきりと彼女は言った。

 

僕は、いいスピーチをするには2つの要素があると常々言っている。


1-準備をして備える
2-瞬発力で即対応する

この2つを彼女はやってのけたのだ。

 

帰りに僕は;
「スピーチがんばってね!」


A子さん;
「はい、でもその前に昇任試験、まず通らなきゃ!また来てもいいですか?」

 

もう「逃げ回っていたA子さん」から、「挑戦するA子さん」にしっかり変わっていた。
目がそれを示していた。