「伝わる」の基本―1

こんにちは、スピーチトレーナー高津和彦(こうずかずひこ)です。

セミナー後、受講生とよく雑談します。
先日も、聞き手に「伝わる」という観点から、大変興味深い話がありました。
今回はその話をします。

 


総合病院の勤務医の先生。

ベストスピーカーセミナーを2度、受講された。
病院では、話し方講座を受講するなんてことは何も言っていない。

が、受講後のある日。
看護士さんが、その先生に言った。
「最近、先生が診察室から、外で待っている次の患者さんを呼ぶ時、先生の声が分かりやすいです」
と。

看護士さん、続けて、
「以前はよく、誰を?何番の?と思いました。聞き取りにくいこと、実はよくありました。」
とも打ち明けてくれたと。


先生曰く、
「1回目のセミナー受講した後、発声練習を毎日やってました!」


すばらしい!
ボイストレーニングの効果。

だから僕は発声のトレーニングの重要性を強調する。


みんなそれを説明すると「へぇ~そんなの必要なの?」という表情を見せる。

そうだ、納得していないんだ。
声くらいで、伝わり方が変わるなんてこと無いだろうと思っている。
特にベストスピーカーに来られる"上の人"は。

だって、
"上の人"は、"下の人"に何でも言える。
「聞こえない!」、「何が言いたいんだ!」と、即。

しかし、"下の人"は"上の人"に対して、
「聞こえません」「わかりません」とは言えません。
黙って、分かっているようなフリをする。


"上の人"、実はみんな、そのことはうすうす分かってるんだ。
けれども、
「自分はそれほど悪くはないよ」、「まぁちょっと注意して聞けばわかるだろう」、
程度にしか思っていない。


実際は違う。
みんな困っているんだ。

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で、発声トレーニングでは大きい声を出す。
実生活では絶対出す必要もないくらいの声を。


その目標、目的は何か。

そうすることによって普段から自然に出る声を、
1-少しだけ大きめに(大半が小さめの人が多い)
2-「伝えてるよ」と言う意識が自然に出るように
トレーニングをするんだ。

それだけで、百発百中で話すことが相手に受け止められる。
すごいことでしょ?


発声が、"ベストスピーカーの基本"を作るんだ。
 

 

【関連サイト】
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